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About FortyFour Bait

全く更新していませんでしたが釣りは続けており、元気でいます。

2年半前からトライ&エラーをしていたビッグベイトが完成間近ということもありまして、

自身の今後の楽しみとしてブランドを作ってみました。今日はそれまでの簡単なストーリーを書いてみたいと思います。

皆様よろしくお願いいたします。

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タイ駐在時一時帰国しシーバスを釣っている際に、ルアー制作の基本を教えてもらっている日本の友人から、「ビッグベイト、いくつか作ったから釣ってみてよ」と無塗装のブランクをいくつか譲り受けました。その時は様々なビッグベイトを使用している時期であり、アクション特性によっていくつも持ち歩く事が負担になっていました。

どうなんだろう?と思いつつも、当時友人が作成したものはジョイクロを周到したもののように思いますが、バラマンディの反応は良く、市販のルアーとさして変わらないと感じたのを覚えています。

この時は好きだった日本製ウッドビッグベイトのアイが、バラマンディやグルーパーを10匹ほど釣ると抜けてしまう、プラスチックのビッグベイトはお腹から割れてしまう、タイの日差しで膨張してしまうなどの課題があり、アイが抜けないなら丁度良いなとシンクレートを調整しながら使い続けていました。

使い続けるにあたり、ここがもっとこう…など欲が出てくるのが釣り人です。

自分が使いたいアクションをどうにか出せないかと色々と試行錯誤を開始します。

顔のデザインだったり

ジョイントの可動域、スタビライザーフィンだったり

ラインアイの位置、縦アイ、横アイだったり

特にテールは非常に大変で、シリコンの方取りは30回以上失敗したかと思います。

そしてやっとの思いで良いアクションが出せるルアーが完成しました。

まあ、嬉しかったよね。

丁度日本へ帰任し、出張でタイにいく用事がありました。

そこでピーコック池で反応をみようと超早巻きからのポーズ試したところ、サイズ不明のチャドーがバイトしラインカット…

POMさんも友人も一生懸命探してくれましたが見つかりませんでした……POMさん曰く飲み込んでるかもしれないとのことでした。悪い事したし、ルアーは無くなるしで非常に残念な釣行となりました。敗因はナイロンラインでトライしていた事。シーバスでは問題なくてもチャドーはダメですね。ちなみに30lbでした。

帰国後すぐに1からウッドを削り作りたい、その話を友人にしたところ、ウッドを大きくカットする機材、大きく馴らすことができるヤスリの化け物のような機材をお借りすることができました。

とても大切にしていたロストしたルアーの良い所を全て詰め込むこと、またスタビライザーフィンが無くても安定するよう形状を何度も変更しテストを繰り返しました。ちなみスタビライザーフィンは水面への飛び出しを抑制する機能(簡単に言うとロール抑制)があり、大きさと取り付ける位置で効果が大きく変わることも発見しました。

また自分なりの経験で3プライ構造、ジョイント方法の変更など更にアップデートを加えました。

当時、今やらなければならないと急いでいたのは、テスト環境がシーバスであったからです。秋になってしまうとコノシロパターンになってしまう。コノシロパターンでなくても釣れるビッグベイトであることを証明したかったので急いで1月中に完成させました。

バチ抜け前の河川は非常に魚が少なく、難易度は高い。しかし釣れない訳はない、と信じてテスト釣行に向かいました。オープンエリアでグライドしていると下から勢いよく飛び出しバイト。今でも鮮明に覚えています。ちなみにヤンキーの少年2人が近くにおり、写真を撮ってくれました。

「コイ、デカいっすね!すげえ!」

なんかちょっと違うけと一緒に喜んでくれました。

その後ルアーがポーズした際の上下運動の良し悪しがよくわからず、更にもう1つをテスト用で作成しました。

「結局は魚に聞くしかない。」これしかないんです。人に聞いても釣れません。

完成したルアーは速度変化に伴い慣性力を制御できるようになり、S字ルアーなのに超早巻きが可能、グライドもできる理想通りのアクションとなりました。機能がパチンコと似ているなと感じていたのでSlingShotと名付けました。

最大13lbまで連れてきてくれたSlingShot

「これなら釣れる。」

いくつか同じものを作って熱量のあるアングラーに託したい。この想いから新たに製作を開始します。しかしアメリカの友人から「Yoshi、やるならしっかりやれ。ルアーの名前があるなら会社も名前も必要だ。何が起きるかわからないんだ。」この助言を受け、今一度自分が何がやりたいのか、死ぬまでに。これを考えるきっかけとなりました。

考えた結果が以下のブランド立ち上げとLAUVISの製作、となった訳です。ちなみにSlingShotという名前は使えないのでLAUVISに変更となりました。

Brand Story ― Forty Four Baits

効率でも、利益でもない。
ただ、やりたいからやる。
元気な魚に出会い、記憶に残る魚と出会うために。

釣りは、いつも人生のそばにありました。
子どもの頃の小さな発見も、大人になってからの孤独な釣行も、すべてが自分を形作ってきた大切な時間です。
けれど、その記憶や感覚は、自分がいなくなれば同時に消えてしまう。

――だからこそ、想いを形にして残したい。

その答えとして生まれたのが 「Forty Four Bait」 です。

私は釣りのプロでも、ルアービルダーでもありません。
ただの一人の釣り人です。
それでも、このルアーには私の半生と、釣りに込めた情熱すべてを注ぎ込みました。

最初の作品は 「Lauvis」
90年代から2000年代初頭のモノクロームなデスメタルの世界観を重ね、無骨でありながら美しさを宿した佇まいを目指しています。

そして「Lauvis」には、他にない仕掛けがあります。
独自構造のテールは特許申請を予定しており、単なるルアーを超えた存在へと挑戦します。

さらに、ルアーにはQRコードを搭載。
もしフィールドでロストしても、拾った人がスキャンすることで持ち主へ戻る仕組みです。
拾得者には新しい「Lauvis」が届けられ、
失くしたはずのルアーが、見知らぬ誰かとのつながりを生み、戻ってくる。
そんな循環を築きたいと考えています。

そして将来的には、環境への想いもルアーに込めていきます。
海洋プラスチックをリサイクルしたテールの採用を視野に入れ、
自然とアングラーの双方にとって、持続可能で誇れる釣りを残していくつもりです。

もちろん、ビジネスとして見れば成立しないかもしれません。
効率や利益を追うものではないからです。
それでも、やりたいからやる。元気な魚、記憶に残る魚に出会いたいから。
この想いこそが、Forty Four Baitの原動力です。

Forty Four Baitは、まだ始まったばかり。
けれど、そこには確かな意思があります。
ルアーという小さな存在に、自分の記憶と世界観を刻み込み、
そして次の世代へと手渡していく。

世代を超えて続く、心に刻まれる一匹を。

それが、Forty Four Baitのブランドストーリーです。

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